端午の節句の花と聞けば、紫色の菖蒲を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
どうして端午の節句=菖蒲になったのでしょうか?
菖蒲が端午の節句に使われるようになった意味や由来、
また今まで見慣れていた紫色の花の菖蒲が実はニセモノ!?
菖蒲には一体どんな効果があるのでしょうか?
菖蒲湯の入り方や作り方をご紹介します。
端午の節句に菖蒲の花・・・何故?
元々日本は5月は熱くなりはじめたり、病気が流行る時期でもあったので
厄除けの意味を持つ菖蒲をこの時期に飾ったりして祓う風習があった
ようです。
ただ宮廷の中で端午の節句は盛り上がっていたのに、鎌倉時代に入ると廃れ始め、また江戸時代になると盛り上がりを見せるようになります。
この頃は宮廷の貴族の文化から武家文化へと変わっていき
菖蒲(しょうぶ)→尚武(しょうぶ)
の語呂合わせで再び広まっていきます。
尚武には、武道や武勇を大切なものと考えることという意味があり、武を重んじる武家の間で盛んに端午の節句をお祝いするようになっていきました。
家の跡取りである男の子の成長と健康を祈り、一族が絶えることなく続くようにと願う大事な行事として大切にされ現代へと続きます。
紫の花をつける菖蒲は「菖蒲」に非ず?
菖蒲の花と聞いて思い浮かべるのはこの紫の花をつけている植物を思い浮かべるのではないでしょうか?
ただ、これ「菖蒲」の花ではないんです。
では何かというと、「花菖蒲」という花。
なんだ菖蒲じゃない!と思われるかもしれませんが、端午の節句に使う菖蒲はこんな華やかな姿をしていません。
葉は花菖蒲とよく似ていてスッと伸びていますが、花はまるでヤングコーンのような出で立ち。
華やかさなんてこれっぽっちもありません。
そして属する科も違います。
菖蒲はサトイモ科に属しますが、花菖蒲はアヤメ科。
さらに菖蒲は強いにおいがあるのが特徴です。
菖蒲にはどんな効果があるの?
さて菖蒲と花菖蒲が違うものだとわかりましたよね?
では菖蒲にはどんな効果があって端午の節句に使われるのでしょうか?
菖蒲には強い香りがありますが、この「香り」がポイント。
昔の人は香を焚き染めた着物を着ていたり、匂いや香りには特に気を使ってきました。
もちろん良い香りがするというのも魅力の一つですが、香りで邪気を祓うという考えもしていました。
菖蒲湯にして体に香りをつける事はもちろん、家の軒(のき)に菖蒲を吊るして邪気が外から入ることを防いでいました。
菖蒲の強い香りには
・疲労回復
・血行促進
の効果があります。
また菖蒲の根茎を乾燥させたものを「菖蒲根」といい生薬にもなっています。
こちらの効果・効能は
・鎮痛
・鎮静
・健胃
・活血
菖蒲湯を作る方法
菖蒲の強い香りには血行促進や疲労回復の効果があるので、身体や肩や腰に疲れが溜まっている現代人にはピッタリな菖蒲湯。
菖蒲湯の作り方は、
菖蒲の葉を細かく刻むか、根のほうを輪ゴムで止めてまとめ丸ごとお風呂の中へ入れます。
水から沸かすタイプのお風呂の場合は、水のうちから菖蒲をお風呂の中に入れておきます。
お湯が出るタイプのお風呂の場合は、お湯が出る時にお風呂の中に入れておきます。
後は普段通りに入るだけです。
注意したいのは、先ほども触れたように菖蒲と花菖蒲は似ているようで違う植物です。
花菖蒲には菖蒲の効果はありませんので、間違って入れないように気をつけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は端午の節句には欠かせない菖蒲についてご紹介しました。
男の子がいる家庭の人は、ぜひ菖蒲湯にも浸かってみてください。
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